c)畏怖(Fear)の文化
実際、政府に対しては、大きな尊敬と畏怖感が存在している。国民は、まだ行政における措置の遅延、又は不作為について、沈黙して耐えるほどでないにしても、我慢強く待つ方を選ぶものである。もし、苦情を言ったとしたら、政府によってひどい目に遇わされたり、後で仕返しをされないかという恐れを感じている。この恐怖心は、地方の人々の文化の中に深く染み込んでしまっているもので、これを変えていく唯一の方法は、苦情調査局についての広報を強化することのみである。
d)プロとしての専門知識
苦情調査局の強みは、人的資源、土地、機械、法律、財務等の管理における、その知識や技能にある。しかしながら、倫理や学位(doctoring)の質が問題になる場合には、苦情調査局は関係省に完全に頼らざるを得ない。各省は必要な客観的で公正な資料を提供し、苦情申立人は一般的に省の調査結果を受け入れる。警察の場合においても、国民は一般的に警察の調査結果を受け入れている。
e)完遂(Follow Through)措置
今日までのところ、殆どの省庁は「行政苦情に関する常任委員会」の決定を履行している。各省庁の長官の供与する協力や協調はきわめて良好であった。各省庁長官が常任委員会の決定に対し応答するための明確な時間的わく組みが行政の通達で定められていたら、さらに好ましいことであろう。
f)苦情調査局の任務の乱用
苦情申立人は、(公務員の)将来の経歴を傷つけることを主たる目的として個人に対する根拠のない主張をすることがある。彼らはこのような根拠のない主張に対し、如何なる措置もとることが出来ないことを認識している。
しかし、苦情調査局は、これらの苦情についても慎重な調査を行い、その結果、苦情が真実であると分かった場合のみ更に作業を先に進めるだろう。
8.結論
行政苦情処理システムは、官僚制の欠点に対して、価値あるフィードバックとみられるべきであり、そのフィードバックは最も重要な意味をもつ国民、即ち顧客から発生するものである。
これは官僚的な不正や遅延に対する市民の苦情を申し出やすくさせる目的で政府が設けている仕組みである。苦情調査局は行政通達によってのみ規制されているが、各省庁の長官による十分な協力を得て、公正に、迅速に、効果的に、客観的に苦情を解決することが出来できた。
前ページ 目次へ 次ページ